私は決して「おひとりさま」の家というものを特別視してはいません。たとえ夫婦であっても、夫婦として一軒の家をつくるという考えは一過性にすぎないと考えるからです。逆に、夫や妻、あるいは子ども、老父母という「個」、つまりそれぞれを「おひとりさま」と考えて建築プランを組み立てるのです。先に挙げた三つのタイプのような、現実の「おひとりさま」からは、家に対する「個」としてのニーズが非常に分かりやすい形で出てきます。
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家族の家の場合には、各人の隠された本音というか、打ち合わせの中で夫や妻が発する暗号を解読して、形にしていくことが家づくりでの建築家の大切な役割だと思っています。そして「個」を中心とした家、「個」が裸で暮らせるような「ねぐら」。そんな感覚を持ちながら、家をプランニングしていくと、誰もが住みやすく、しかも刺激的な空間が生まれます。