雑食的な日本の家庭料理は、地域ごと家ごとに特色があり、料理の傾向か異なれば食器の種類もおのずから異なってくる。しかも戦後はそこに「食器はこういうふうに揃えるべきだ」というような権威あるきまりのようなものがなく、かなり自由なだけに、普段使いの食器の「その家らしい」組合せは、家庭の個性の表現の重要な一部にもなっている。「おふくろの味」という表現からも知れるように、家庭料理の味はその家庭の象徴であるが、食器もそれと同じような性質を持っているのではないか。
[参考]
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もしかしたら食器は、味という目に見えない感覚の領域ではなく、物として視野の内に存在しているだけに、料理以上に強い象徴性を持っているのかも知れない。