一戸建て住宅の場合はもともと同じ床面積のアパートに比べ、建設、維持管理、居住の面で、約五倍ものエネルギーを消費するといわれています。したがって、マンションやアパートを買ったり借りたりすることも、広い意味では地球にやさしい行動といえます。本来、エネルギーはかたちを変えてもその総力には変化がないものです。しかし、いまではそれを、元のかたちに戻すことはできなくなってしまうケースが増えているばかりか、使用不可能な方向に変化しているような状況です。たとえば、私たち人間は、活動のエネルギーを得るために食物を食べ、そして排泄します。一週間も便秘をすれば、この循環のバランスが狂って病気になってしまいます。地球のなかでも、循環が繰り返されています。植物は、太陽エネルギーを受けて光合成を行い、二酸化炭素を分解し、炭素と酸素に変え、有機物をつくります。昆虫がその有機物を食べ、それを両生類や鳥、動物が食べ、さらに肉食の鳥や動物かそれを食べるといった具合に食物連鎖が行われます。生き物が死ぬと、土のなかにいるバクテリアやアリ、ミミズなどが死骸を分解して無機物にし、それがまた植物の栄養源になる。こうして、生態のバランスを保っているのです。こうした循環が途絶え、元のかたちに戻らなくなることを「エントロピー」といいますが、生態系にはエントロピーが増大することはまったくといっていいほどありません。反面、私たち人間は石油やガス、電気といったエネルギーを大量に消費しています。それらは元のかたちに戻らないばかりか、使用することで有用性のないものに変化し、社会に蓄債されていきます。これが公害です。
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