若者の町といわれる渋谷にこの数年、超高層オフィス・ビルやホテルが続々と建っている。地元商店街は、大人の財布を当てにして、「大人も楽しめる町へ」のスローガンを掲げているが、一番手が二〇〇〇年四月にオープンしたツイン・タワーの渋谷マークシティである。「イースト」は「渋谷エクセルホテル東京」が入っているホテル棟で、高さ九九・六七メートル、地下二階・地上二五階、「ウェスト」はオフィス棟で、高さ九五・五五メートル、地下一階・地上二三階である。
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両棟の低層部分には五〇を超えるレストランや商店が軒を並べている。事業主体は特殊法人の帝都高速度交通営団、東京急行電鉄、それに京王電鉄が共同で設立した渋谷マークシティで、営団も含めてデベロッパーとしての鉄道会社の強みが発揮された。これは営団地下鉄の車両基地、京王電鉄・井の頭線の渋谷駅、それに東急のバス用道路の上に建築されたもので、この数年の間にふえてきた「未・低利用」の土地(民有地・公有地)の上空権を利用した。この双頭ビルのオープンの一ヶ月前に東京ドーム近くに竣工した「後楽森ビル」も上空権を利用している。森ビルが東京都下水道局のポンプ場の地上権を落札して賃貸契約で借り、その上に建てた一九階建てのオフィス・ビルである。後にみるように日本最大の再開発が進んでいる東京駅周辺でも上空権のやりとりが盛んだ。「都市再生」のキーワードはいくつもあるが、「未・低利用地と上空権の活用」は間違いなくその中にふくまれる。